抱えていた課題

3Kと呼ばれるイメージを持たれ、求職者から敬遠されがちな運送業界で、介護離職により更なる人手不足に陥る可能性がありました。

取組とその成果

家族のための仕事という考え方
 一般の貨物から食品や医薬品の宅配など幅広い物品の運送を行う有限会社Miyamaコーポレーション。運搬する自動車のサイズも多岐にわたり、軽自動車タイプから10トンサイズのトラックまで、多様な運搬体制が整っている。食品や薬品の配達などを、軽自動車タイプで行っていることから、業務内容に体力的な負担も少なく、業界平均を大幅に上回る3割を超える女性ドライバーが活躍する企業である。
 トップ自身が「家族のための仕事」という考えを持ち、この考えを自ら社員に対して発信していくことで、家族との時間を大切にするような働き方が社内に共有されている。社員間には、休暇取得の際でも、“お互い様”という雰囲気があり、子どもの学校行事などを優先しながら働くことができている。
社員の状況に仕事を合わせる
作業の様子
 人手不足が運送業界全体の課題となる中、同社でも、ドライバーから介護を理由に退職するとの申し出を受けた。介護による離職のリスクは今後さらに高まるものと想定され、何とか就業継続できる方法はないかと考えた。ドライバーの仕事は、運搬する積載量や距離によって就業時間が異なる傾向にあることから、介護をしながらでも働き続けられるよう、業務配置を変えたことで、就業を継続することができた。
 このように、仕事に社員を合わせるのではなく、社員の状況に仕事を合わせることで、離職率は低く、70歳代の女性ドライバーが現場で活躍できるような職場環境づくりができている。
 さらに、免許取得(自動車運送事業の運行管理者やフォークリフト、大型免許など)に向けた資金支援など、意欲のある社員への支援も行っており、こうした支援策は女性ドライバーも活用している。
 今後は、特に女性社員が、管理職の業務に対して「勤務時間が長く、責任も増えて大変だ」というイメージを持っていることから、管理職を希望しないという実態があるため、こうしたイメージを払拭するための研修や、管理職を増やし一人当たりの負担軽減を図るなどして、女性管理職を増やしていきたいと考えている。

トップの思いを伺いました

代表取締役 降籏 美香 氏
代表取締役 降籏 美香 氏
我が社の経営理念は、「私たちは全ての人々に“あん・しん・かん”を運び続けます」です。
(「あん」安全が安心になり「しん」 心を込めて信頼を創り「かん」感謝、感動忘れずに。)
安心して働けるからこそ、お客様や周りの人々に“あん・しん・かん”を運び続けられると考えており、そのためにも、まずは、社員の皆さんに安心して働ける環境を整えていきたいです。

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