抱えていた課題

 結婚や出産を機に離職する社員が多く、働きやすい環境の整備が課題でした。

取組とその成果

会社全体で「働きやすい環境づくり」を実現
 多様なクライアントから通販事業の物流業務を請け負っているM・Kロジ。請け負っている業務は、受注システム運営、梱包、保管、発送と幅広く、物流全体で一括したアウトソーシングを可能とし、クライアントの事業効率化を支援している。通販市場の拡大をうけて、業績は創業から右肩あがりで推移している。事業拡大に伴い社員が増加していく中で、20代後半のスキルを持った女性従業員が、結婚や出産を機に退社する事例が続き、離職を食い止め、長く働ける職場環境づくりが課題となった。
 同社では、育休取得が判明したタイミングで人員配置について検討を開始し、休みに入る1~2ヶ月前には引き継ぎ期間を確保することで、育休を取得する側も送り出す職場側もストレスが無いよう考慮している。最初の育休取得者がロールモデルとなり、育休は継続的に取得されており、就業継続につながっている。
 また、職場復帰した人のフォローを周囲が積極的に行い、お互い様という雰囲気をつくるように会社としても気にかけているという。そのために社員旅行等のイベントにも力をいれており、泊りや日帰りなど複数のプランを用意し、子供がいる主婦層も参加できるよう配慮を行うことで、会社としての一体感を醸成している。
従業員を信頼して仕事を任せることが個人と企業の成長に繋がる
職場風景
 全社員の7割弱が女性を占めており、パート社員として活躍する女性も多い。パート社員は、希望に応じて、勤務時間の長短も選べ、ライフスタイルの変化に応じた柔軟な働き方を提供している。パートから正社員への登用実績も多数ある。
 業務量の増加に伴い、24時間365日稼働に向けた取組を開始している同社。当初は不安の声もあったが、自動梱包機や商品管理システムの導入などのインフラ整備を行い従業員の負担を軽減しながら取組を推進している。業務の平準化が図られ残業の削減に繋がるとともに、「日曜に働いて平日に休みたい」「夜中に働きたい」といった働き方のニーズに対応できるという効果も出ている。
 創業当初からのメンバーで、事業拡大に貢献し、現在は女性部長として活躍する田村さんは「一律に制度を設けるのではなく、相手の状況や気持ちを理解して寄り添うことが、大切だと考えています。一人ひとりと対話し、従業員を信頼して仕事を任せていく事が個人と企業の成長に繋がると、自分自身の経験からも感じています。」と語った。
 女性の活躍だけではなく、障がい者雇用や海外からの技能実習生の受入なども実施している同社。多様な力を合わせて、さらなる成長を目指している。

トップの思いを伺いました

代表取締役社長 馬場 正和氏
代表取締役社長 馬場 正和氏
 人手不足社会の到来にむけて質の高い人材を多く確保することは、企業の存続にとって最も重要な課題の1つです。当社では、経営方針に職場環境の整備を掲げ、全社員の幸せを追求しています。そのために管理職が果たす役割は重要で、成果を出し続け、部下と協働できる優秀なリーダーを性別に関わらず育成すべきです。
 多様化する顧客ニーズを満たすイノベーションを起こすためにも、多様な主体が活躍できる会社を作っていきたいです。

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