アンコンシャス・バイアスを体感しよう

アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)を体感しよう

私たちは、気づいていないうちに物事を判断しています。無意識の思い込みがもたらす影響について少し立ち止まって、考えてみませんか?

1.あなたはどんな人物をイメージする?

以下の肩書とプロフィールをみて、あなたはどんな人物をイメージしますか?具体的に考えてみましょう。

  • 交通機動隊の白バイ
    交通機動隊の白バイ隊員 巡査長
    福岡県警察本部交通機動隊特別機動取締係に勤務。機動力のある白バイを駆使し、悪質な交通違反者の検挙に尽力。
  • チャンピオンベルトとボクシンググローブ
    WBC世界王者を4回防衛 プロボクサー
    14歳からボクシングを始め、17歳でプロデビュー。現在まで26戦18勝(8KO)6敗2分。ボクシングジムも経営中。
  • 洗濯物
    子どもは8歳&4歳の育ち盛り 絶賛育児中
    1年2か月の育休を取得。職場復帰後は時短勤務を経験。現在はフリーランスに転身し、家事育児に注力。

答えをチェック

2.どんなアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)があるでしょう?

職場と家庭、それぞれ2つのシーンを見て、どんなアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)があるか、考えてみましょう。

  • 動画(職場編)

  • 動画(家庭編)

  • 動画(地域編)

解説をチェック

写真の答え

自分の「あたりまえ」は他人の「あたりまえ」とは違うかも!?

肩書をみてイメージした人物像と、実際の答えは合っていましたか?
例えば、何のためらいもなく「警察官は男性だろう」と想像した、という方は、とっさに連想したその反応こそが「アンコンシャス・バイアス」です。特に、性別による固定的な役割分担意識は、ジェンダー平等の実現をはばむ社会課題となっています。

※アンコンシャス・バイアスとは…無意識の思い込み・偏見のこと。私たちの仕事や日常生活での様々な判断や意思決定に大きな影響をもたらしています。詳しくはこちら
※掲載している内容は、2020年時点のものです。

  • 髙橋祥子さん
    福岡県警察本部交通機動隊
    特別機動取締係 巡査長
    髙橋祥子さん

    福岡県警察南警察署地域第二課高宮交番、同交通第一課交通指導取締係を経て現職。交通違反者の検挙やイベントの交通整理等に従事。全国白バイ安全運転競技大会に2回出場。大会優勝を目指して運転訓練に励む。
  • 黒木優子さん
    『YuKO Fitness Boxing GYM』主宰
    プロボクサー
    黒木優子さん

    第6代WBC女子世界ミニフライ級王者。福岡県福岡市出身。WBC世界王座を4回防衛。『YuKO Fitness Boxing GYM』を主宰し、女性や子ども、初心者向けのフィットネスボクシングレッスン等を展開。プロボクサー養成にも尽力。
  • 早田宝得さん
    育休取得経験者
    2児を育てる専業主夫
    早田宝得さん

    ファザーリング・ジャパン九州理事/事務局長。サラリーマン時代に1年2ヶ月の育児休業を取得。育休終了後は夫が時短勤務、妻がフルタイムで復帰。その後、フリーランスへ転身。現在も家事育児の中心的役割を担う“専業主夫”として活躍。

他にも、自分基準のこんな「思い込み」ありませんか?

男なら残業、出張、転勤をして当然!高齢になると、考え方は変わらない。自分の周りには性的マイノリティはいない。

動画の解説

職場でこんなことありませんか?

・会議では、男性や年長者が先に発言するという暗黙のルールがある

手を挙げている女性社員よりも、男性社員のほうが無意識的に優先されるシーンがみられました。社内での無意識のバイアスは、組織の「共通行動」となり、組織風土として定着する可能性があります。こうした偏りのある習慣は、強みを伸ばす障壁となることが考えられます。

・育児中の女性に負担をかけるのはかわいそうだ

リーダーになりたかった育児中の女性社員に対して、男性上司はよかれと思い、配慮の気持ちから、男性社員にリーダーを任せました。育児中も成長したいと思う社員が増えている、という前提を理解し、まずは対話をしてみましょう。そのうえで、本人が望むチャレンジの機会を提供する心がけが必要です。

・お酌や取り分けは、女性がやらなければならない

飲み会の席では、周囲がそうしてきたからと、違和感を抱きながらも飲み物を配ったり食事を取り分けたりする女性社員。一方、男性社員もその様子に気づきながら「男の俺がでしゃばっても…」と声をかけるのを躊躇していました。このような固定的性別役割分担意識にモヤモヤすること、あなたもありませんか?

家庭でこんなことありませんか?

・家事育児はすべて母親だけがやらなければいけない

父親が赤ちゃんに対応しているところに割って入った母親の姿がみられました。「子育ては、全部私がやらなくちゃ」という母親が抱くセルフバイアス(自己イメージ)は、育児中女性の負担増加につながり、産後うつ等のリスクにも結びつきます。

・男性は家庭よりも仕事を優先して当たり前

「男は仕事、女は家庭」というジェンダーバイアスは、男性が育児に積極的に参画する機会を奪う可能性があります。また、結果的に男性の働きすぎや長時間労働を助長することにもなり、男性の生きづらさにもつながります。

・子どもを産んだら女性が仕事を辞めるのが当たり前

世代間で生き方・働き方に対するギャップがみられました。令和元年時点での共働き世帯数は専業主婦世帯数の2倍です(令和2年版男女共同参画白書より)。ライフスタイルは時代とともに変わっていることを念頭に、自分の当たり前を押し付けない心がけが必要です。

地域でこんなことありませんか?

・会長は女性には難しい、子どものことは「母親の仕事」だと思う

会長職の依頼を断る女性や、PTAの仕事は「母親の仕事でしょ?」と発言する女性の姿がみられました。これらの背景には「女性にリーダーは向いていない」「子どもや学校のことは母親がやるべきだ」という女性自身のジェンダーバイアス(セルフバイアス)の影響が考えられます。セルフバイアスが、役割の固定化につながる可能性もあるのです。

・お茶出しや後片付けは女性がやるもの、という習慣がある

会議のお茶出しをしていた女性。男性と同じく自治会メンバーですが、敬老会の役割分担では一人だけ役割をもらえずにいました。このように、地域の会合やイベント、避難所運営等でも、中心的な役割は男性、補助的な役割は女性、といった固定的な役割分担が行われていませんか?

・話し合いの場で「少数派の意見や反対意見が言えない雰囲気」がある

心の中では女性の発言に賛成しつつも意見を飲み込む男性の姿がみられました。これは自分が所属している集団のメンバーと同じ行動をとることが安全だと判断してしまうバイアス(集団同調性バイアス)の影響が考えられ、結果的に少数派の意見や反対意見が言えない状況を引き起こしやすいといわれています。

登場人物の言動の中に「決めつけ」「思い込み」があることに気づきましたか?

動画を視聴して「違和感を抱かなかった」という場合は、上記に挙げたアンコンシャス・バイアスに気づいていない可能性があります。無自覚なアンコンシャス・バイアス、特に「男らしさ・女らしさ」に関する思い込み(ジェンダーバイアス)は、固定的な性別役割分担を生み出し、それが社会構造にも反映され、私たちの生きづらさにつながります。そして、それらが次の世代へ継承され続けると、さらに固定的な性別役割分担が助長される、という悪循環を生みます。

動画を視聴した後に、他者の意見を聞いたり、対話してみることで、自分では自覚していなかった物の見方に気づいたり、視野が広がったりすることもあります。ぜひ、アンコンシャス・バイアスの啓発・学習にお役立てください。

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