私たちは、気づいていないうちに物事を判断しています。無意識の思い込みがもたらす影響について少し立ち止まって、考えてみませんか?
以下の肩書とプロフィールをみて、あなたはどんな人物をイメージしますか?具体的に考えてみましょう。
職場と家庭、それぞれ2つのシーンを見て、どんなアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)があるか、考えてみましょう。
動画(職場編)
動画(家庭編)
動画(地域編)
肩書をみてイメージした人物像と、実際の答えは合っていましたか?
例えば、何のためらいもなく「警察官は男性だろう」と想像した、という方は、とっさに連想したその反応こそが「アンコンシャス・バイアス」です。特に、性別による固定的な役割分担意識は、ジェンダー平等の実現をはばむ社会課題となっています。
※アンコンシャス・バイアスとは…無意識の思い込み・偏見のこと。私たちの仕事や日常生活での様々な判断や意思決定に大きな影響をもたらしています。詳しくはこちら
※掲載している内容は、2020年時点のものです。
手を挙げている女性社員よりも、男性社員のほうが無意識的に優先されるシーンがみられました。社内での無意識のバイアスは、組織の「共通行動」となり、組織風土として定着する可能性があります。こうした偏りのある習慣は、強みを伸ばす障壁となることが考えられます。
リーダーになりたかった育児中の女性社員に対して、男性上司はよかれと思い、配慮の気持ちから、男性社員にリーダーを任せました。育児中も成長したいと思う社員が増えている、という前提を理解し、まずは対話をしてみましょう。そのうえで、本人が望むチャレンジの機会を提供する心がけが必要です。
飲み会の席では、周囲がそうしてきたからと、違和感を抱きながらも飲み物を配ったり食事を取り分けたりする女性社員。一方、男性社員もその様子に気づきながら「男の俺がでしゃばっても…」と声をかけるのを躊躇していました。このような固定的性別役割分担意識にモヤモヤすること、あなたもありませんか?
父親が赤ちゃんに対応しているところに割って入った母親の姿がみられました。「子育ては、全部私がやらなくちゃ」という母親が抱くセルフバイアス(自己イメージ)は、育児中女性の負担増加につながり、産後うつ等のリスクにも結びつきます。
「男は仕事、女は家庭」というジェンダーバイアスは、男性が育児に積極的に参画する機会を奪う可能性があります。また、結果的に男性の働きすぎや長時間労働を助長することにもなり、男性の生きづらさにもつながります。
世代間で生き方・働き方に対するギャップがみられました。令和元年時点での共働き世帯数は専業主婦世帯数の2倍です(令和2年版男女共同参画白書より)。ライフスタイルは時代とともに変わっていることを念頭に、自分の当たり前を押し付けない心がけが必要です。
会長職の依頼を断る女性や、PTAの仕事は「母親の仕事でしょ?」と発言する女性の姿がみられました。これらの背景には「女性にリーダーは向いていない」「子どもや学校のことは母親がやるべきだ」という女性自身のジェンダーバイアス(セルフバイアス)の影響が考えられます。セルフバイアスが、役割の固定化につながる可能性もあるのです。
会議のお茶出しをしていた女性。男性と同じく自治会メンバーですが、敬老会の役割分担では一人だけ役割をもらえずにいました。このように、地域の会合やイベント、避難所運営等でも、中心的な役割は男性、補助的な役割は女性、といった固定的な役割分担が行われていませんか?
心の中では女性の発言に賛成しつつも意見を飲み込む男性の姿がみられました。これは自分が所属している集団のメンバーと同じ行動をとることが安全だと判断してしまうバイアス(集団同調性バイアス)の影響が考えられ、結果的に少数派の意見や反対意見が言えない状況を引き起こしやすいといわれています。
動画を視聴して「違和感を抱かなかった」という場合は、上記に挙げたアンコンシャス・バイアスに気づいていない可能性があります。無自覚なアンコンシャス・バイアス、特に「男らしさ・女らしさ」に関する思い込み(ジェンダーバイアス)は、固定的な性別役割分担を生み出し、それが社会構造にも反映され、私たちの生きづらさにつながります。そして、それらが次の世代へ継承され続けると、さらに固定的な性別役割分担が助長される、という悪循環を生みます。
動画を視聴した後に、他者の意見を聞いたり、対話してみることで、自分では自覚していなかった物の見方に気づいたり、視野が広がったりすることもあります。ぜひ、アンコンシャス・バイアスの啓発・学習にお役立てください。
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出典:福岡県女性の活躍推進ポータルサイト「女性がリードするフクオカのミライ D&Iand you」