抱えていた課題

数年前まで新卒採用をしていなかったことと、女性従業員はパート従業員からの登用という経緯もあり、催事など長期間の出張が伴う営業部門に女性を配置していませんでした。

取組とその成果

女性目線の販売スタイルが生まれた
 あご入りだしパックを主力商品として製造・販売を行う『味の兵四郎』。以前からパート女性従業員の能力や仕事ぶりを評価し、正規従業員として登用してきた。
 2009年から新卒採用を本格化した際、ジョブローテーションの一環として営業にも女性を配置。力仕事で一週間の出張を伴う営業は、男性が行う百貨店での麺やだしの試食がメインだったが、女性が営業となり、商品を使った料理の実演販売やレシピを提案する方法が誕生した。女性が料理を実演してみせると説得力があり、特に百貨店は女性客が多く、話しやすさや買いやすさという心理面へ訴える効果もあった。今までの試食販売と新たな実演販売の2つの販売方法を活用し、売上に貢献している。
女性従業員が長く働ける環境を整備
店舗内装の写真
 中小企業では従業員が誇りをもって働ける環境の整備が最も重要だと考え、設備も含め、女性が働きやすい職場づくりをしてきた。現在の場所に本社を移転したのは、周辺に住む主婦層のパート労働力を見込んでだった。子育てしながらパートで働き、現在は課長になった女性もいる。
 最近、新卒で採用した女性店長が結婚したので、出産後も働き続け、若手女性従業員のロールモデルとなってくれればと期待している。 
 さらに、手薄だった若手への仕事継承のための組織づくりを目指し、今までなかった部課長制度、目標を従業員が設定・管理するチャレンジ型の評価制度を2016年に始め、従業員がやりがいをもって働ける環境づくりに力を入れている。

トップの思いを伺いました

代表取締役社長 野見山 正煇氏
雇用形態や性別に関係なく、人として能力のある人に任せる、という方針です。女性は基本的に真面目なので、成果を残すことにきちんと向き合っています。今後の展開として、従業員自らの発案で新規事業を起こせるように育って欲しいと思っています。また、女性従業員の活躍がめざましいので、女性だけのプロジェクトチームも作りたいと思っています。

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