抱えていた課題

多くの女性従業員が働いているにもかかわらず、主任から部長職になるまでの間に役職がないため、女性が管理職になる機会が少なく、その間の意欲の維持・向上が難しくなっていました。

取組とその成果

課長職を新設して女性を登用
 博多銘菓を数多く生み出す『如水庵』とそのグループ会社は、2年前から女性従業員の登用の機会が増えるようキャリアのスモールステップ化を実施している。
 同社では、店長や主任として会社を支える女性従業員たちが次に目指す役職が部長職であったが、主任から部長までの道のりが長いことから、キャリアアップの具体的なイメージが掴みにくく、また評価制度にもあいまいな部分があったことから、女性従業員の意欲の維持・向上の妨げになっていた。その問題を解決すべく人事部門を中心に話し合いを重ね課長職を新設。グループ3社で4名の女性が課長へ登用されたことで、彼女らをロールモデルとして、昇進を目指す女性従業員が増加するなど、従業員の意欲向上に繋がっている。
研修受講の機会を平等に提供
営業本部・配送センター
 同社は従業員への教育を重視してきたが、予算の問題もあり、社外の研修受講の機会が与えられるのは一部の従業員に限られていた。そこで、全ての従業員に、自身のキャリアの段階に応じた研修を受講してもらえるよう、受講回数が無制限で定額の研修機関と契約。また、行政が実施する研修を利用することで、予算を押さえつつ、学びの機会を増やすことに成功した。
 現在は4名が社外の研修に派遣され、他社からの参加者と交流することで刺激を受けつつ、コミュニケーション能力や指導力などの研鑽に励んでいる。その他、製造部門など工場内の従業員でも場所を選ばず受講できるWEB上のセミナーを用意する計画で、昇進を目指す機会を平等に得られる環境をつくっている。

トップの思いを伺いました

代表取締役社長 森 恍次郎氏
如水庵グループの企業理念の根本には、従業員を家族と捉え、一人ひとりの思いを大事にしようという考えがあります。全従業員の7割近く、課長職では半数以上が女性で、多くはお客様と接する販売職です。お菓子に携わる仕事には、女性ならではの感性や心遣いも重要です。女性が活躍することが企業の継続と発展につながると考えています。

一覧へ戻る