抱えていた課題

商品の企画、デザインから生地織り、裁断縫製まで自社一貫生産という、日本でも数少ない生産体制のため、技術者の確保、さらに熟練技術者の後継者育成が課題でした。

取組とその成果

産休・育休の代替に正規従業員を雇用
 オリジナルの和木綿素材を使った綿入れ袢天や婦人服を展開する『宮田織物』。
 女性従業員が多数在籍し、多くは長年の経験と技術が必要とされる。
 同社では産休・育休制度や短時間勤務制度の利用を奨励し、その間の代替として正規従業員を新たに雇用している。産休や育休の代替は期間限定であることが多いが、あえて正規で採用する意図は、従業員に雇用の安定性から技術習得に集中してもらうためと、技術を習得した従業員に働き続けてもらうことが企業のメリットになると考えるためだ。休職した従業員は、復職後は元の部署に戻って勤務できる。
 当然、従業員の完全復帰後は人員増だが、それをプラスにとらえ経営と利益拡大に取り組むきっかけとしている。
技術の継承を見据えた採用
宮田織物株式会社
 同社では、就業継続の取組により、長く働き続ける従業員が多い。一方、若い従業員を毎年採用できていなかったことから、生産現場を主に支えるのは長期間働き続けている高齢の従業員となっていた。
 しかし、事業を継続させるためには、若年層の就業継続による技術の蓄積が必要であることから、近年は若年層の採用に力を入れるようになった。専門学校を中心に、積極的に働きかけを行い、ライフステージの変化に対応した安心して働ける職場をアピールし、有能な人材の発掘と確保に力を注いでいる。
 ものづくりに興味を持って入社する若い女性は、技能検定を積極的に受験するなど向上心もあり、会社にとって大切な戦力になっている。

トップの思いを伺いました

代表取締役社長 吉開 ひとみ氏
出産後に復帰した女性従業員は時間に制約があるなかで、生産性が高い働き方を工夫し、会社に貢献してくれます。そして、我が社にはそんな従業員を周りもあたたかく支える風土があります。従業員全員参加による月1回の勉強会を続けることで社内のコミュニケーションを高めて、ますます働き続けたくなる職場づくりを目指し、お客様が笑顔になる商品作りを目指します。

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