抱えていた課題

社員が主体性をもって仕事ができ、風通しのよい職場にする必要がありました。また、年功序列で男性管理職がメインとなり、管理職を目指す女性が育っていませんでした。

取組とその成果

経営計画に女性社員の意見を反映
 板井築炉は、築炉工事やセラミックスの超精密加工などを手がける。団体での勉強会をきっかけに、北九州市や社会保険労務士と協議を重ね、女性活躍推進法上の一般事業主行動計画を策定している。
 以前は、指示業務をこなすのみで、業務上出張も多くコミュニケーションが少ない職場だった。行き詰まり感があり、社員が主体性を持って働ける雰囲気が必要と考えた。そこで平成26年度、3年間の「中期経営計画策定プロジェクト」を立ち上げ、組織や業務、社員ひとりひとりの役割を見直した。性別にかかわらず能力や意欲のある社員の意見を反映するため、策定メンバーに女性を加えた。会社も社員もこのプロジェクトでなりたい姿を明確にし、風通しのよい職場づくりにつながった。
能力重視の登用と就業継続
板井築炉株式会社社員の写真
 プロジェクトの活動により女性社員の意識が変わるとともに、性別にとらわれない能力本位の登用に対する社内の理解が進み、会社初の女性管理職の発令につながった。プロジェクトに参加した女性2名を、経験と能力を重視し管理職に登用した。現在、女性の管理職は4人、うち2人は技術系である。今後も管理職育成を続けていく。
 また、平成27年に短時間正社員の制度を導入し、女性管理職の1名が本制度を利用している。育児休業についても、プロジェクト以前から、特に女性社員が取得し復帰するのは当然という雰囲気が社内にある。カバーする周りの社員にとってもスキルアップとなる。中途で辞める女性社員がいなくなった結果、男女の就業年数に差がなくなってきている。

トップの思いを伺いました

代表取締役 板井 一正氏
性別に関係なく、一人ひとりの社員の個性に光を当てて、できることを見つけて伸ばすことを心がけ、個人の成長が実感できる組織にしたいと考えています。女性の意見も業績に好影響を与えています。全員で一緒にやっていくことで、いいモノづくりにつながり、社会貢献ができていきます。それが中小企業の価値、強みだと考えています。

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