抱えていた課題

 幼稚園教諭の仕事は忙しく、クラス運営のほか、たくさんの行事の企画・準備等があります。残業が多く、先生の個人負担が大きい状況でした。女性の先生の就業継続も課題でした。

取組とその成果

仕事の見える化、効率化で残業を減らす
 108人の園児が通う曽根ひかり幼稚園。クラスの運営以外に、運動会や生活発表会など年間50以上の行事があり、先生の残業が多かった。そこで平成24年度から、業務の見える化・共有を始めた。各行事について、担当者を事前に決め全職員に割り振る。担当者は2週間前には実施案を全員に配り、内容や仕事の分担の共通理解を図る。これにより、準備の過程で誰かに負担が集中すればすぐ分かるため、調整ができ残業が減った。また、職員室で全員一緒に仕事をすることでノウハウが共有でき、園全体の生産性が向上した。
 以前は大きな行事前に21時ごろまで残業していたが、現在、月平均で残業は10時間程度である。取組が評価され、平成29年度に北九州市の「女性活躍・ワークライフバランス表彰」を受賞した。
 
職員の意見を反映し、仕事と育児の両立へ
 園では、職員の意見を聞きながら、働き続けられる環境づくりに積極的に取り組んでいる。女性が結婚・出産しても就業継続できるよう、他の職員で補い、出勤時間や勤務時間などを調整している。以前、熱を出した子を連れて出勤した先生の相談がきっかけで、働きやすさについて積極的に意見を言う先生が徐々に出てきた。意見を踏まえ、保育園に子どもを預けている職員は遅出勤務とし、ゆっくりと保育園に預けてから出勤できるようにしたり、子どもが病気になれば安心して休めるようサポートする職員を配置したりしている。結果、子育て中の正職員女性が多く、勤続10年以上の先生も多い。先輩の子育て経験者の先生もおり、園内では仕事と育児の両立についての意識が浸透している。

トップの思いを伺いました

曽根ひかり幼稚園 篠原園長
 全ての取組は、子ども達の安定した幸せな園生活と笑顔につながっていきます。先生が元気なら子どもにもいい影響を与えます。当園は働き続ける女性の先生が多く、特に子育て中の先生は保護者の心情面が理解でき、信頼されています。結婚・出産・育児を経験した先生にはそれを現場で活かしてほしいですし、若い先生には、仕事だけでなく趣味を持って、生活も充実させて人生の幅を広めてもらいたいです。
 

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