抱えていた課題

IT業界では、「人材」こそが生き残る“カギ”である一方で、採用後キャリアを積んだ女性社員が、結婚を機に退職することが課題となっていました。

取組とその成果

育休取得後にも復帰したくなる職場づくり
 コンピュータシステムや通信システムの開発・販売等を行う「エコー電子工業株式会社」。女性が育児休業を取得した後でも、安心して職場復帰を行うことができるよう、時短勤務制度や1時間単位での休暇制度、子どもの病気による休暇制度を整えることで、これまで16名の女性社員が育児休業を取得し、100%の職場復帰を実現している。
 さらに、復帰後もモチベーションを保ちながら働くことができるよう、ワーク・ライフ・バランスを推進。例えば、有給休暇の取得促進にも力を入れており、社員一人ひとりに年間取得計画をたてさせるだけでなく、取得状況を毎月総務部がチェックして、取得率が悪い部門には指導を行う。また、有給休暇の一部を子どもの誕生日や結婚記念日など、それぞれの社員のイベントで使用できる「メモリアル休暇」として制度化。“ちょっとした”アイデアが、有給休暇の取得率を向上させている。
 こうした取組の結果、働きやすい会社としてのイメージが定着し、毎年20名近くの採用を実現しているとともに、社員一人ひとりの就業継続にもつながり、優秀な人材の確保に成功している。
男性に対する育休取得を勧めた結果・・・
オフィスの様子
 エコー電子工業では、男性社員に対する育児休業の取得勧奨にも取り組んでおり、社内会議でトップ自ら積極的に働きかけることで、平成28年に初の取得者が誕生して以来、これまで6名が取得している。
 このような男性に対する取組が、男女を問わず会社全体で子育てを応援する風土につながり、女性も働きやすい職場づくりにつながっている。例えば、女性社員が男性管理職に対し、産休・育休取得について相談すると、「いつ復帰するの?」と職場復帰を前提とした言葉が自然と出てくるそうだ。何気ない一言かもしれないが、 女性の職場復帰を後押しするだけなく、会社への帰属意識を高め、モチベーションアップにもつながっている。
 

トップの思いを伺いました

代表取締役社長 濵武 康司 氏
 良い会社を目指すには、社員のモチベーションを向上させることが大事であり、そうすることで業績も高くなります。社員が会社と家庭のどちらも好循環を保てるようにすることが大切です。
 また、人材育成・教育に力を入れて、優秀な社員を育てることで、企業の生き残りをめざし強靭な会社にしていきます。経営者として社員が生きがいを持って働くことができるよう、社員満足を念頭に経営してまいります。

一覧へ戻る