抱えていた課題

 女性社員の占める割合が約8割と非常に高い同社では、女性が働きやすい職場環境を作ることが、企業の成長につながると考えました。

取組とその成果

「朝・夕の30分」をサポートする
 北九州を中心に介護施設を運営する「株式会社ウキシロケアセンター」。被介護者に占める女性比率が高い中、同性による介護を原則としていることから、女性社員の比率が非常に高く、現場の声を形にしていくことで女性が働きやすい職場環境づくりに取り組んできた。
 代表的な取組として挙げられるのが、全国に先駆けて取り組まれた母子家庭を対象とした子育てサービス付社宅の設置である。この施設には、母子家庭の母親社員が入居でき、施設の管理人が子どもの保育園の送迎や体調不良時の対応を行う。このサービスがあることで、母親は朝と夕方の子どもの保育園等への送迎のために勤務時間を制限されることがなくなる。
 このように、母子家庭の母親社員の朝と夕方の30分をサポートすることで、フルタイム勤務が可能になり、経済的な自立やキャリアアップにつながるだけでなく、今後はこの場所が、子育て世代の相互扶助のコミュニティとなることも期待されている。
 この他にも、子育て世代の社員に対して子どもを連れての出勤や、小学生がそのまま勤務先へ下校することを認めており、「フルタイムで働くことができ収入が安定する」、「目の届く範囲に子どもがいるので安心する」などの意見が社員から上がっている。
現場を把握することで効率的に取組をすすめる
職場のイメージ
職場のイメージ
 同社では、介護施設を15施設運営しており、各施設長を中心として、施設の状況に応じた働きやすい職場づくりが行われている。また、全施設の状況は週に一度開催される幹部会で報告され、社員一人ひとりの働き方、生活状況を細かく把握し、課題、問題に対して迅速な決定、効率的な運営を行っている。例えば、スタッフのシフトを施設単位だけではなく、エリア単位で見ることで過不足ない人員配置を行っている。それにより育休等の長期休暇や急な退職への対応がしやすくなり、有給休暇取得率の向上、時間外勤務の減少、離職率の低下につながった。
 さらに、各業務に必要な人員数、業務量を可視化することで、社員一人ひとりの業務の効率化への意識改革にもつながっている。

トップの思いを伺いました

代表取締役 浮城 守 氏
代表取締役 浮城 守 氏
 日本社会最大の課題である少子高齢化問題に対し、介護事業は重要な事業です。人手不足が叫ばれる介護現場において、職員の確保は最重要課題です。そこで働く職員の幸せを追求することは、お客様である入居者様の満足度向上につながるだけでなく、介護職を目指す子どもを増やすことにつながることにもつながると考えています。「将来に夢を持てる企業を創る」を理念として、働く職員、高齢者、次世代の子どもたち、全世代の幸せをめざし、継続して事業の発展に努めたいと考えています。

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