抱えていた課題

従業員は子育て中の女性が多く、働きやすい環境を整える必要がありました。

取組とその成果

働きやすい環境づくりに取り組む理由
 完熟堆肥を使用したこだわりのお米を使用して、餅・おむすびなどの加工品を製造し、販売している「三宅牧場まきば」。代表社員の三宅静恵氏は、畜産や米の生産を行う農家の長女として生まれ育った。農業と関係のない一般企業に就職したものの、一旦離れたことで改めて農業の素晴らしさを実感し、会社を辞めて家業を手伝う道を選んだ。
 その後、結婚し2児の子育てをしながらも家業を手伝っていた三宅氏。「自分にしかできない仕事がしたい」と、実家で生産した米を加工して餅を販売する事業を2001年にスタートさせる。当初は製造・販売・配送すべての業務を1人で切り盛りしなければならず、子どもを連れて配送を行うなど、仕事と子育ての両立に奔走した。この頃の経験が、働きやすい職場環境づくりに取り組む動機となっているという。
働きたい人が無理なく働くために
職場風景
 地産地消の考え方が広まり始めた頃でもあり、餅の売り上げは順調に伸びていき、三宅氏1人だけでは仕事に支障が出るようになった。そのため、自らの業務を整理・細分化して、一部を友人にお願いするようになった。その後も事業は拡大し、2007年自身の3人目の出産を機に、三宅氏がいなくとも組織が機能するよう従業員8名で法人化するに至った。
 毎月のシフトは従業員本人の意向を尊重し、前月に希望を出してもらう。ダブルワークをしている従業員も多く、それぞれの事情にあった勤務となるよう配慮している。
 また、1人が複数の業務をこなせるように教育し、自分の主担当の業務以外でも一定程度は仕事ができるような体制を整えている。これにより、子どもの病気等による急な休みにもチームで対応できるようになっているという。一方で、従業員本人の得意・不得意を見極め、各人の能力が発揮できるよう采配を行っている。このように、目的に応じて従業員の業務内容を柔軟に組み合わせることで、働きやすい環境を作り出している。

トップの思いを伺いました

代表社員 三宅静恵氏
代表社員 三宅静恵氏
 年齢も性別も関係なく、働きたいと思う人たちが働ける環境をつくっていくことが大切ではないかと考えています。「活躍」の仕方は千差万別で、全ての女性が同じやり方で活躍できるとは思っていません。それぞれが得意な事を活かしながら働ける環境をつくっていきたいです。また、「働きやすさ」だけではなく「働きがい」との両輪で、従業員のモチベーションを高めながら、より良い商品をお客様にお届けできればと思います。

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