抱えていた課題

 人手不足が課題で、採用募集を行っても人がなかなか集まらない状況でした。また、就業の継続も課題でした。

取組とその成果

女性の活躍で人手不足を解消
 ロボットやモーターなど産業機械部品の加工・製造をおこなっている飯山工作所。特殊な技術が必要な仕事のうえ、昨今の売り手市場の採用環境もあり、「人手不足」が課題だった。金属加工というと、油汚れのある作業や重量物の運搬など男性職場のイメージがあり、同社も当初は男性社員が担う仕事という先入観があった。しかし、募集を行っても応募がなく、こうした状況を打開するため、女性や未経験者でも業務を行えるように仕事を分業し、女性の雇用を進めていった。主たる業務は工作機械を使っての切削加工であるが、機械をオペレーティングする以外にも「顧客の要望ヒアリング」「工程管理」「在庫管理・ピッキング」「製品の最終仕上げ」「完成品の測定」などの多数の業務があり、体力的に負担の少ない業務を女性従業員の担当とすることで、人手不足という課題に立ち向かっている。
 女性の従業員が増えたことで、子育てや介護などそれぞれの生活に合わせた勤務にも柔軟に対応できるよう改善を行っている。例えば、「都合のよい時間帯での出勤を可とするフレックス勤務」や「子どもの長期休暇時の勤務日数の調整」などである。また、以前は少人数のパートタイム従業員を長時間勤務させるというスタイルであったが、多人数のパートタイム従業員を雇用し、週に数時間の勤務でも可とするスタイルに変革することで、従業員の都合にあわせて働きやすい環境を作り出し、離職防止に努めている。このような取組を行った結果、以前よりも離職率を抑えることができ、スキルを持った人材の就業継続を実現している。
男女ともに活躍できる職場風土がもたらした好影響
職場風景
 女性の雇用が増えたことで、職場にも好影響を与えている。切削工程に付随する業務を女性従業員が担うことで、機械オペレーターは機械操作に集中することができ仕事の効率が向上した。
 また、男女がともに活躍する職場となったことで、職場の雰囲気が明るくなり離職率の低下につながるとともに、職場の活性化にも寄与している。生産性向上のための目標値を以前はトップダウンで決定していたが、現在は社員が主体的に決める等自主的な組織に変革されてきているという。
 3Dプリンタを用いた業務や作図ソフトを用いた作業等女性に任せたい仕事はまだまだあり、今後も女性活躍に積極的に取組んでいきたいと、社長の飯山氏は語った。

トップの思いを伺いました

代表取締役社長 飯山 謙二氏 
 一人ひとりの従業員の新たな挑戦や取組が会社の業績に寄与します。そして、その従業員の努力をしっかりと評価することが、従業員の働きがいにつながり、更に会社の業績を向上させる好循環となります。
 社会に眠っている女性の力はまだまだあると感じており、男女問わず活躍できる環境を今後もつくっていきたいと考えています。

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