【プロフィール】
福岡県出身。短期大学を卒業後、アサヒビール博多工場 品質管理部にエリア職として入社。40歳で管理職試験に挑戦し、その後部長職に就任。名古屋工場や福島工場への単身赴任を経て、2023年3月からアサヒビール 執行役員 吹田統括工場長に就任。
福岡県出身。短期大学を卒業後、アサヒビール博多工場 品質管理部にエリア職として入社。40歳で管理職試験に挑戦し、その後部長職に就任。名古屋工場や福島工場への単身赴任を経て、2023年3月からアサヒビール 執行役員 吹田統括工場長に就任。
~仕事と生活の基盤をつくることでキャリアが広がる~
Q 川口工場長は、どのようにして仕事と育児の両立を両立されたのですか
現在は、当社では女性が出産や育児などで昇格が遅れることなく公平に機会が与えられ、コミュニケーション環境や制度も整っていますが、私が入社した当時は、結婚や出産を機に退職する女性が多く、育児と仕事を両立している女性社員がほとんどいなかったため、私自身、休むと仕事に遅れを取りそうな気持ちになってしまい、制度をあまり利用しませんでした。
育児と仕事の両立に悩むこともありましたが、保育園の先生方や働くお母さん達、両親のサポートを受けながら、地域や子どもを通じた助け合う関係をつくり、生活の基盤を整えることができました。ひとりでできること、時間には限りがありますので、外部の人や環境に頼ることがあっても良いと思います。
現在は、当社では女性が出産や育児などで昇格が遅れることなく公平に機会が与えられ、コミュニケーション環境や制度も整っていますが、私が入社した当時は、結婚や出産を機に退職する女性が多く、育児と仕事を両立している女性社員がほとんどいなかったため、私自身、休むと仕事に遅れを取りそうな気持ちになってしまい、制度をあまり利用しませんでした。
育児と仕事の両立に悩むこともありましたが、保育園の先生方や働くお母さん達、両親のサポートを受けながら、地域や子どもを通じた助け合う関係をつくり、生活の基盤を整えることができました。ひとりでできること、時間には限りがありますので、外部の人や環境に頼ることがあっても良いと思います。
~中長期的な視点でキャリアを具体化~
Q まず、川口工場長のキャリアについて転機になったことがあれば教えてください
年に一回、中長期的なキャリア形成支援のために、上司と1対1で行う、「キャリアデザイン面談」という制度がありますが、職場ではベテランとなっていた40歳手前の頃、その面談で、上司から「管理職に挑戦してはどうか?」と提案されました。管理職になると全国転勤もあります。もともと転勤のないエリア職で仕事を続けてきた自分には「無理だ、できない」と思っていたので困惑しました。
すると、上司は、「チャレンジするには何が足りないのか」ということを一緒に考えてくれました。管理職試験に向けた具体的なアドバイスも受け、転勤の時期も家庭の事情に配慮してもらった上でチャレンジすることができました。
管理職になってからは、博多工場から名古屋工場、福島工場へと異動し、キャリアを重ねてきました。異なる環境を経験し、人との関わりや経験の幅を拡げられたことは得難い経験でした。リーダーシップのスキルはいろいろなプロジェクトのリーダーを経験することで段階的に得られたと感じていますし、この経験が自信に繋がっています。
Q キャリア形成に向けた、現在の取組について教えてください
自分のキャリア形成については、実はあまり細かく考えていません。それは、自分の知っている範囲だけに自分のキャリアがあるとは思えないからです。何事にもチャレンジし、自分で足りないと思ったら、直ぐに学ぶことを大切にしていきたいと思っています。
Q 「キャリアデザイン面談」では、上司としてどのようなアドバイスをされていますか
面談の中で最も重視していることは、「可能性を伝えること」です。期待されないと人は育たないと思います。成長したいというメンバーの気持ちを引き出していきたいと考えています。
私もそうでしたが、女性社員の場合、「出産や育児などで配慮されるのは自分が期待されていないからだ」と思ってしまうこともあります。そこは、女性社員の思いや考えを聞きながら、良い方向に導いていきたいと思っています。自分の可能性を自分で決め込みすぎないことが大事だと思います。
特に女性には、今は仕事を続ける選択をして、タイミングが合った時に上を目指してほしいとアドバイスしています。自分に見えているキャリアプランが全てではなく、意外と見えていないところにチャンスがあることを経験談を交えて話すようにしています。
年に一回、中長期的なキャリア形成支援のために、上司と1対1で行う、「キャリアデザイン面談」という制度がありますが、職場ではベテランとなっていた40歳手前の頃、その面談で、上司から「管理職に挑戦してはどうか?」と提案されました。管理職になると全国転勤もあります。もともと転勤のないエリア職で仕事を続けてきた自分には「無理だ、できない」と思っていたので困惑しました。
すると、上司は、「チャレンジするには何が足りないのか」ということを一緒に考えてくれました。管理職試験に向けた具体的なアドバイスも受け、転勤の時期も家庭の事情に配慮してもらった上でチャレンジすることができました。
管理職になってからは、博多工場から名古屋工場、福島工場へと異動し、キャリアを重ねてきました。異なる環境を経験し、人との関わりや経験の幅を拡げられたことは得難い経験でした。リーダーシップのスキルはいろいろなプロジェクトのリーダーを経験することで段階的に得られたと感じていますし、この経験が自信に繋がっています。
Q キャリア形成に向けた、現在の取組について教えてください
自分のキャリア形成については、実はあまり細かく考えていません。それは、自分の知っている範囲だけに自分のキャリアがあるとは思えないからです。何事にもチャレンジし、自分で足りないと思ったら、直ぐに学ぶことを大切にしていきたいと思っています。
Q 「キャリアデザイン面談」では、上司としてどのようなアドバイスをされていますか
面談の中で最も重視していることは、「可能性を伝えること」です。期待されないと人は育たないと思います。成長したいというメンバーの気持ちを引き出していきたいと考えています。
私もそうでしたが、女性社員の場合、「出産や育児などで配慮されるのは自分が期待されていないからだ」と思ってしまうこともあります。そこは、女性社員の思いや考えを聞きながら、良い方向に導いていきたいと思っています。自分の可能性を自分で決め込みすぎないことが大事だと思います。
特に女性には、今は仕事を続ける選択をして、タイミングが合った時に上を目指してほしいとアドバイスしています。自分に見えているキャリアプランが全てではなく、意外と見えていないところにチャンスがあることを経験談を交えて話すようにしています。
~「人を育てる仕事」のすばらしさ~
Q 仕事をする上で大切にしていることを教えてください
私の経験も踏まえ、マネージャーたちには「人を育てることは上司として重要な仕事」だと伝えています。部下の成長は自分の成長です。
組織づくりでは「お互いの見えない部分を理解し合えること」「一人ひとりと対話すること」を大切にしています。
毎月1回は、各部のミーティングで直接言葉を伝えています。ほかにも、一人ひとりと対話するようにしています。
人によっては、自分がやっていることをうまく話せなかったり、伝えているつもりでも周囲に伝わっていなかったりということがあります。そういうところを面談や対話の中から引き出すことができれば、キャリアップに対する可能性をアドバイスすることができます。やはり、上司から踏み込んでいくことが重要だと思います。
私の経験も踏まえ、マネージャーたちには「人を育てることは上司として重要な仕事」だと伝えています。部下の成長は自分の成長です。
組織づくりでは「お互いの見えない部分を理解し合えること」「一人ひとりと対話すること」を大切にしています。
毎月1回は、各部のミーティングで直接言葉を伝えています。ほかにも、一人ひとりと対話するようにしています。
人によっては、自分がやっていることをうまく話せなかったり、伝えているつもりでも周囲に伝わっていなかったりということがあります。そういうところを面談や対話の中から引き出すことができれば、キャリアップに対する可能性をアドバイスすることができます。やはり、上司から踏み込んでいくことが重要だと思います。
~後に続く女性の皆さんへの応援メッセージ~
ひとつは、今自分が知っている範囲だけに将来の可能性があるわけではないということです。若いときに見えている範囲は本当に狭いです。可能性は、自分が見えている範囲外のところに広がっています。
今になって感じることですが、想定外のことに直面したり、分からないことが増えるということは成長している証拠です。挑戦したその先に次の可能性が見えてきます。
また、私も経験しましたが、女性には家庭のことに集中したいと思う期間が訪れることがあります。その期間に入るタイミングで退職を検討する女性もいると思いますが、人生を10年単位で考えると育児期間や子どもが小さい期間はとても短いです。状況が変わったらまた別のことに挑戦する期間がくるので、とにかく何か見えないときには、その場でやれることを一生懸命頑張ってやってはどうでしょうか。自身のキャリアを考えたり、悩んだりしている女性の皆さんには、この二つの言葉をかけてあげたいと思います。
今になって感じることですが、想定外のことに直面したり、分からないことが増えるということは成長している証拠です。挑戦したその先に次の可能性が見えてきます。
また、私も経験しましたが、女性には家庭のことに集中したいと思う期間が訪れることがあります。その期間に入るタイミングで退職を検討する女性もいると思いますが、人生を10年単位で考えると育児期間や子どもが小さい期間はとても短いです。状況が変わったらまた別のことに挑戦する期間がくるので、とにかく何か見えないときには、その場でやれることを一生懸命頑張ってやってはどうでしょうか。自身のキャリアを考えたり、悩んだりしている女性の皆さんには、この二つの言葉をかけてあげたいと思います。