カラダは動いているのに、ココロがついてこない。
休んでも疲れが抜けず、理由のわからない不安や焦りが続く。

「まだ大丈夫」「もう少しがんばれる」と自分を励ましながら、ただ目の前のことをこなしていく。でも、どこかに小さな違和感が残っている――そんな経験はありませんか。

メンタル不調は、突然はじまるわけではありません。多くは、ささやかなサインから始まります。
今回は、その“違和感”を見過ごさないために、

・ココロが出す「休息サイン」
・不調の段階について
・受診や相談の目安セルフチェック
をやさしく整理します。
 
ココロが出している「休息サイン」に気づく
気分の落ち込みやイライラ、集中力の低下、仕事でのミスの増加。
だるさが取れない、仕事のことを考えると動悸がする。
こうした変化は、ココロが疲れを知らせるために出している反応です。

メンタル不調は、カラダの症状につながることもあります。
不眠や食欲の変化、頭痛やめまい、胃腸の不調など、「なんとなく体調が悪い」という形であらわれることも少なくありません。

大切なのは、「いつもと違う」と気づくこと。
小さな違和感は、カラダやココロからの大切なメッセージです。無理を続ける前に、その意味を知ることが、自分を守ることにつながります。
参考文献:厚生労働省、こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト~、ストレスのサイン
精神疾患・適応障害のとらえ方
精神疾患や適応障害という言葉にはどこか重たい響きがあり、不安を感じる人もいるかもしれません。
すでに経験したことがある人にとっても、向き合うのにエネルギーがいる言葉かもしれません。

これらは特別な人だけに起こるものではなく、強いストレスや環境の変化が続いたときに、ココロが「これ以上がんばれない」と出す反応のひとつ、とも言えます。
環境とのミスマッチや、人間関係の緊張、役割の増加など、負荷が積み重なった結果としてカラダやココロの症状が起こり得るのです。

そして、不調を抱えたまま無理を続けると、症状が強まったり、回復に時間がかかったりすることもあります。「まだまだ大丈夫、がんばれる」と思い込むことで、サインを見逃してしまうこともあり得るのです。
働く女性のメンタル不調が見過ごされやすい理由
メンタル不調は外から見えにくく、周囲に理解されにくいものです。
骨折のように目に見えるサインがないため、「気合いでなんとかなる」と誤解されてしまうことも少なくありません。
さらに、月経前症候群(PMS)や更年期症状とメンタル不調は区別がつきにくく、「いつもの体調不良だ」と見過ごしてしまうこともあります。
加えて、出産や育児、更年期、介護など、複数のライフイベントと仕事の忙しさが重なる場面もあります。担う役割が増えるなかで、自分の不調を後回しにしてしまいがちになる人も多いのではないでしょうか。

「迷惑をかけたくない」「評価が下がるのが怖い」という思いから、相談をためらう人もいるでしょう。責任感や完璧主義が強い人ほど、SOSを出すのが遅れがちです。

こうした状況が重なることで、結果として、不調が「気づきにくいかたち」で進んでしまうことがあるのです。
不調には「段階」がある
メンタル不調は、いきなり深刻になるわけではありません。多くは、少しずつ進みます。
参考文献:厚生労働省、働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト こころの耳、2 ストレスからくる病
この段階を知っておくことは、「今、自分はどの位置にいるのか」を冷静に考える手がかりになります。
その迷いは、相談していいサイン
メンタル不調を感じていても「まだ大丈夫」「もう少し様子を見よう」と思うのは自然なことです。
精神科や心療内科という言葉に、心理的なハードルを感じる人も多いでしょう。

しかし、迷っている時点で相談していいのです。

受診や相談は、診断や休職を決めるためだけのものではありません。自分の状態を整理し、どう対応すればよいかを一緒に考えるための手段でもあります。
また、自分の状態を人に話すことで「自分はこういう状況に弱いんだな」「こうすれば回復できるんだな」という自分の特性を知る機会になります。
こうして「自分の取扱説明書」のようなものが手に入れば、きっと、この先の人生でも役に立つときがくるはずです。

まずは、今の自分の状態を整理するためのひとつの目安として、以下のチェックリストを活用してみてください。
チェック項目に当てはまるものが複数ある、★がついている症状がある、生活や仕事に支障が出ている――そんなときは、早めの相談や受診を検討してみてください。
メンタル不調を「我慢」で終わらせない
メンタル不調には段階がありますが、はっきりとした境界線がないため、「これくらいなら」と我慢して無理を重ねてしまいがちです。気づいた時には一人で抱えきれなくなっていた――という状況に陥ってしまうこともあります。

不調や悩みは、一人で抱え込まなくて良いのです。
身近な人や職場の仲間に話してみることから始めてもいいですし、かかりつけの内科や心療内科で相談するのも選択肢の一つです。
早めに誰かと共有することは、逃げではなく、自分を守る行動です。

福岡県では、悩みやつらい気持ちに寄り添うSNS相談窓口「きもち よりそうライン@ふくおかけん」を設置しています。
精神保健福祉士や心理士などの専門家がご相談をお受けしており、無料・匿名で利用できます。
相談先の一つとしてチェックしてみてください。

きもち よりそうライン@ふくおかけん



この連載では、不調を「我慢するもの」ではなく、「気づいて整えていくもの」として見つめてきました。
日々のあわただしさに追われていると、自分の不調のケアを後回しにしてしまいがちです。
ですが、「ちょっと気になるな」と感じたそのことこそが、大切なサインかもしれません。

ひとりで抱え込まず、誰かと共有すること。
無理のない範囲でケアを取り入れること。
そうした積み重ねが、あなたの明日を支えていきます。
このポータルサイトでは、これからも働く女性の健康や日々の暮らしに役立つ情報をお届けしていきます。
忙しい毎日のなかで、ふと立ち止まる瞬間があったとき、「これくらいなら」と我慢してしまう前に、あなたのカラダやココロが出しているサインに、どうか少しだけ耳を澄ませてみてください。


カラダとココロのメンテナンス、続けやすい形で。
 毎日を少し軽くする工夫をInstagramで発信中。
 @workwell_fukuoka
 
参考文献・サイト:
01.厚生労働省、働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト こころの耳、2 ストレスからくる病
02.厚生労働省、こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト~、ストレスのサイン
問い合わせ先
「働く女性の健康を守る事業」事務局(一般財団法人ウェルネスサポートLab)
メール:workwell.f@wellsuppo.or.jp
電話:092-231-9762
主催
福岡県人づくり・県民生活部女性活躍推進課

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