抱えていた課題

顧客の大半は女性を想定しているにもかかわらず、男性中心の経営や企画が行われており、女性従業員の意見が経営や店舗づくりに反映されていませんでした。

取組とその成果

研修により従業員を積極的に育成
 北九州を中心に精肉・惣菜チェーンを展開する『橋本食品』。社長の橋本さんは、経営改革を進めるうえで従業員の研修に力を入れた。会社は成長の舞台と考え、性別にかかわらず従業員に学ぶ機会を提供。従業員同士の勉強会や専門家を招いた研修会の実施、社外の研修への派遣などを行っている。
 中でも行政が実施する多様な研修制度を積極的に活用。女性管理職支援セミナーや、異業種の地元企業に1ヶ月勤務する社会人インターンシップなどへ参加した。現在は、入社2年目の女性従業員が社外のキャリアアップ講座に参加している。学ぶことを通じて視野が広がり、自分の意見を言えるようになったなど、従業員は研修の効果を実感している。
女性をチームメンバーに加え出店企画
新店舗の内装
 2016年9月にオープンした新店舗(肉の惣菜専門店)は、初めて女性従業員をチームに入れて店舗のデザインと商品企画を進めた。社外の女性建築チームと協力し、女性や子どもに喜ばれる店づくりにチャレンジ。それまでの店舗とは全く異なる雰囲気の店舗が完成した。
 大学でマーケティングを学んだ2年目の女性の意見も取り入れ、商品開発や包装にもこだわり、味はもちろん、買い求めやすい価格やカラフルな包装デザインなどのサービスが顧客の支持を集めている。
 また現在、会社の方針を決める経営戦略会議の出席者は、半数が女性である。のびのびと顧客目線の意見を述べ、新しい企画を実行できるようになり、売上アップに貢献している。

トップの思いを伺いました

代表取締役 橋本 和宏氏
食品販売業は顧客の80%が女性といわれていますが、当社は65%と低く、女性客の支持を増やす必要性を感じていました。経営戦略として女性を意思決定の場に入れようと考えたのが、育成を進めたきっかけです。顧客目線の意見、柔軟な発想、熱心に学ぶ姿勢など、女性のよい面に私も刺激を受けています。これからも全従業員の力を引き出していきたいですね。

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