抱えていた課題

 かつて、新卒者対象合同説明会で学生が1人も集まりませんでした。優秀な人材を採用するには、社員が働きやすい、魅力ある会社に変わることが必要と考えました。

取組とその成果

30年近く前から、働きやすい環境づくり
 建設用機材のリースやレンタルを行う拓新産業。30年近く前から、働きやすい環境づくりに積極的に取り組んでいる。平成2年の新卒者対象の合同企業説明会で、学生に全く興味を持ってもらえなかった。そこで職場環境の改善に着手し、完全週休2日制、有休の完全消化、残業ゼロ、休日出勤なしを徐々に徹底していった。社長が朝礼で呼びかけ、年間ローテーションによる週休2日制、社員一人一人の有休消化状況の確認と、全員の前での発表などを行い、働きやすい環境をつくりあげ、現在まで続いている。また、余裕をもった社員の採用と、数年ごとに配置換えを行い様々な部署を経験させることで、出産や育児で休む社員がいてもカバーできる体制を整えた。
 
拓新産業 宮里社長と新入社員の写真
社員満足度の向上へ
 残業や休日出勤をなくすことで、顧客との関係を心配する営業担当などから意見が出たが、「社員満足が第一」、「要望は何でも受け入れず、社内体制との兼ね合いで解決策を探る」との信念のもと、顧客との事前打ち合わせを徹底し、理解と協力を継続的にお願いしてきた。
 現在は働きやすい会社として注目を集め、会社説明会に毎年200人を超える学生が訪れるようになり、優秀な人材の採用が可能となった。そのことが社員の誇りや動機づけにつながり、離職率も下がっている。
 また、完全週休2日制や残業ゼロに取り組むことで、割増手当などのコスト削減につながっただけでなく、社員が自主的に業務改善に取り組みはじめ、効率化に成功した。これにより社員は責任を持って働くとともに、家族との時間を確保できプライベートも楽しんでいる。こうした取組が社員のやる気と満足をもたらし、さらに業績アップ、という好循環を生んでいる。
 
拓新産業 女性社員の写真

トップの思いを伺いました

拓新産業 社長の写真
 社員満足の優先は経営理念にも謳っており、社員満足を軸として、顧客満足と社会貢献のバランス感覚に秀でているのが、一流の中小企業だと考えています。そのバロメーターは、誇りを持ち生き生きと働く社員の姿であり、社員が育ってくれることが重要です。取組を定着させるには、経営者としてきちんと実践すること。これからも、できることは決断し実行していきます。
 

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