抱えていた課題

 新卒、中途、派遣社員など、全ての層で採用が難しい状況にありました。また女性を活用したくても、女性が働きづらい環境で、応募がない状況にありました。

取組とその成果

人手不足を解決していくために
 非鉄鍛造、ダイカスト、切削のエキスパート企業として、自動車や電力機器など多種多様な部品製造を行う戸畑ターレット工作所。業界全体に「人手不足」という課題が広がる中、製造業が集積する北九州では、地域内でも人材獲得に向けた競争が起き、年齢、性別に関わらず全ての階層で採用できない状況が続いていた。さらに、作業現場では、重量物の運搬や油汚れがある作業がどうしても切り離せず、女性が働きづらい職場環境だった。
 そこで10年前、新たに自動車部品の製造に参画したことをきっかけに、業務や工程の見直しを実施。それまで1人で担当していた業務工程を細分化し、3人で分担するようにした。こうすることで、仕上げ業務や検査業務など、体力的に負担の少ない業務を切り出し、そこに女性を投入できるようになった。さらに、勤務体制についても、午前のみの勤務、午後のみの勤務を認めることで、子育て期間中などの事情を抱えた女性でも勤務ができるようになった。
 このように業務分担と勤務体制の両面から取り組んだことで、10年間で女性職員の比率は約10%伸び、作業現場で多くの女性が活躍している。さらに、午前のみ、午後のみの勤務の職員を組み合わせることで1日の作業量を確保しており、人手不足に対し、女性の活用という形で課題解決につなげている。
職員のニーズに柔軟かつスピーディーに対応
社内発表会の様子
社内発表会の様子
 当社では、育児休業取得から復帰する際には短時間勤務を希望する人が多く、こうした場合、パート社員という形でしか復帰できなかった。しかし、当社のメイン事業であるダイカストの女性技術者が育児休業を取得したことをきっかけに、短時間勤務でも正社員として復帰できる道を整備した。
 また、アルバイトから正社員への転換制度も整備。さらに、資格取得支援や、男女の区別なく平等に評価する人事考課を行っている。こうした環境整備の結果、正社員に転換した社員の中から、女性2人目の現場管理職も誕生している。

トップの思いを伺いました

代表取締役社長 松本 大毅氏
代表取締役社長 松本 大毅 氏
 ますます採用の厳しさが増す中、女性に活躍してもらうことは大事だと考えています。子育てを理由にフルタイムで働けないという方は、高い専門スキルなどを持っていることも多く、積極的に採用するとともに、そうした方が働きやすい環境整備に、今後とも取り組んでいきたいです。

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